明光義塾ではたらく「人」を伝える

何をしても心から楽しめなかった過去。教育に面白さをみつけた

 

親しみやすい人柄で生徒からも講師陣からも人気のある明光義塾六町教室の鈴木輝教室長。社員の研修も任されるなど社内での信頼も厚い人物ですが、この仕事に出会うまではあまり輝かしい道を歩んでいなかったそうです。鈴木教室長の過去と現在、そして生徒たちへの思いをうかがいました。

 

サッカーも歴史も、心から楽しいとは感じられなかった

――現在はどのようなお仕事を担われているのでしょうか。

教室長として教室長運営をしながら、エリアマネージャーとして地域の教室運営のサポート、研修などを行っています。今の教室に移動してきて1年半、エリアマネージャーになって2年ぐらいです。

実は、就職したときは社員講師からのスタートでした。はじめから教室長になる道もありましたが、当時はあまり運営には興味が持てず、とにかく教える仕事に就きたかったんです。

 

――なぜ教える仕事に就きたかったのですか?

学生時代に友人に誘われて集団塾の講師のアルバイトをしたんです。そのときの生徒から面接時に「先生は話しやすい」と言ってもらえたことがあって。「教える仕事って楽しいかも」と思うようになりました。

実は僕はそれまであまり心から楽しいと思うことに出会えていなくて。中高時代はサッカー漬けの日々で、高校もスポーツ推薦で入ったのですが、正直すごく楽しいとは思えなかったんです。日本史は割とよく高得点を獲れたので、大学は文学部史学科に入ったのですが、本当に歴史が好きな人たちの話にはついていけませんでした。

 

生徒のために目標を共有し、そのために働きたかった

――教えることは心から楽しいと思えたのですね。しかしなぜ明光義塾で働くことにしたのでしょうか。集団塾と個別指導では勝手が違うのではないですか?

そうですね。でも、教えることの面白さはあまり変わらないように思います。むしろ個別指導は生徒一人ひとりの結果やリアクションが見えるので、より元気がもらえるというか。

教える側の個別指導の課題は、講師同士の連携、目的共有をより意図的に行わなくてはならないところです。僕は講師時代から、講師が生徒のためになることをどんどん話し合うことが大事だと思っていたので、隙あらば講師一人ひとりに話しかけ、生徒のために何が必要かをディスカッションするようにしました。

 

 

講師と心の距離を作らないようにしたら、生徒数が倍になった

――その後教室長になったときには、講師同士のコミュニケーションが盛んな教室づくりを目指されたのですか?

正直、最初は「こんな教室をつくりたい」という理想はありませんでした。事務や面談など日々の仕事に忙殺されて、とても理想を思い描くことなんてできなかったんです。けれど「講師たちとの心の距離を離してはだめだ」という思いだけはあり、日々、声をかけていろいろな話を聞いたり、ときには深く考えさせるような投げかけをしたりして踏ん張っていました。すると不思議なことに1年で生徒数が50人から100人に、講師は9人から23人に増えたんです。気がつけば、とてもいい講師たちが集まってくれるようになっていました。一人ひとりが生徒をとてもよく褒め、大事にしようと努力してくれたんです。本当に助かりました。プラスになる口コミも広まり、教室運営はますます安定しました。

今では講師の7割くらいが元生徒です。「通っていて良かったから」という理由で、今度は立場を変えてここに集まってきてくれるんです。もちろん、僕からも「働かない?」という声かけはしていますよ。

 

「遊んでくれる人」と思われても、大切にしなくてはいけないもの

――生徒とはどのようなコミュニケーションを図っているのでしょうか。

生徒にとって教室が「楽しくて面白くて問題を解決することができる!」と感じられる場所にしたいと考えています。小学生とはじゃれて遊ぶようなこともありますよ。普段は「遊んでくれる人」としか思われていないかもしれない。中高生には「話を聞いてくれる人」と思われているでしょうね。面談以外にも授業の合間に「最近どう?」なんて声をかけていろいろな話を聞いています。高校生の女子に「学校生活どう?」と訊ねたら「男子に色目を使う女子にウンザリ」なんていうので「そういう人は後々苦労するよ」なんてほぼ世間話です。でもそういう話ができる大人って案外貴重。生徒たちが塾に通いたいと思ってくれる理由にはなります。

 

――生徒たちのことをよく見ているのですね。

そうですね。授業中もできるだけ教室を見渡したり巡回したりして生徒たちの様子を見るようにしています。そこでいつもと違う表情をしている子をみつけたら、後で声を掛けることも。そのため、生徒が来るまでの時間にできるだけ事務的な作業を終わらせておくようにしています。生産性を上げ、準備をいかにコンパクトにするか。これは教室長にとって結構大事なスキルです。生徒がいる時間は、生徒を見ていなくてはもったいないですから。

 

悩み、反省することの繰り返し。それでも教育は面白い

――教室長の仕事を他人に薦めたいと思いますか?

正直、誰もができる仕事ではないと思います。生徒たちへの思いや、自分なりの教育観がなければ続けられないでしょう。でももし、教えるって面白い、教育には魅力があると感じられるのであればぜひ挑戦してみてください。

私はエリアマネージャーまで務めるようになった今でも、成績が下がってしまった子がいたら「もっとこの子にできることはなかったのか」と悩み、反省し、また新たなプランを立てています。教室運営はその積み重ね。大変なことはたくさんあります。けれど生徒たちの将来を思って親身に面倒を見ていれば、勉強の楽しさを伝えることができる。面白い仕事ですよ。