明光義塾ではたらく「人」を伝える

約10年、ともに浅草教室を大きくしてきたからこそ、つながりは消えない

現在、ナレーターとタクシードライバーの仕事に就く吉岡幹さん(写真左)は、2023年6月までの9年の間、浅草教室で講師をしていました。働き始めて1年が過ぎた頃、浅草教室の教室長として、杉末裕之教室長(写真中央)が就任。杉末教室長をはじめ、坂口明彦先生(写真右)、同僚講師と一緒に浅草教室を盛り上げてきました。今回は、浅草教室の卒業講師(講師アルムナイ)である吉岡さん、杉末教室長、そして今も講師を続けている坂口先生の3人に、ともに過ごした時間を振り返り、語り合っていただきました。

 

教室長が教室の環境整備を自ら請負、本来の講師業務に集中させてくれた
――吉岡さんが講師として働き始めた頃のことは覚えていますか?

杉末教室長:
私はこの浅草教室に教室長として働き始めて9年目になります。当時は吉岡さんが講師を始めて1年目で、まだ初々しい頃でした。明るく元気で、何より好奇心が旺盛だったので、私が伝えたことはもちろん、自分で率先して業務を進めてくれる頼もしい存在でした。おかげで、教室長として新しい教室をつくっていく上で、引っ張っていってくれたのでとても助かりました。

坂口先生:
浅草教室で明光義塾の講師を務めて14年になります。吉岡さんといえば、生徒たちを相手に元気のいい声で授業している姿がとても印象的ですね。そんな吉岡さんを大好きな生徒たちもたくさんいて。そうした吉岡さんの個性がこの浅草教室を大きくしていったことは間違いないと思っています。

――吉岡さんは、出会った頃の2人の印象はいかがですか?

吉岡さん:
働き始めて1年目で杉末教室長がやってきたのですが、講師の間で「次の教室長はとても敏腕らしい」と、噂がたっていました(笑)。期待と不安の中、一緒に働き始めたところ、次々と教室を私たちが働きやすいように改革してくれたんです。一番は、教室の環境整備を杉末教室長が率先して行ってくれ、私たち講師が授業に集中できるようにしたいただいたのがありがたかったです。

杉末教室長:
浅草教室へ来たばかりの頃、先生たちの働きぶりを見ると、講師業務以外のことにも多くの時間をかけていて、生徒と向き合う時間に集中できていないように感じたんです。それだったら生徒のプリントを作ったり、授業計画を考えたり、もしくは教え方を研究してもらったほうが、生徒たちのためになります。そこで、本来の講師としての仕事に集中してもらうために、教室の働き方や環境を整えていきました。吉岡さんや坂口先生にも、本当に協力していただきました。

吉岡さん:
坂口先生は、とにかく教え方が丁寧で、やさしい方です。とにかく怒られたくない生徒は坂口先生に集まっていましたね。一方、私はその反対で、少し気難しい子やわんぱくな子を担当することが多くて、大変な思いをすることもありました(笑)。

坂口先生:
これは初めて話すことなのですが、講師1年目に小学校6年生の女子生徒を教える機会がありました。その生徒のお姉さんも通っていて、優秀な生徒だったのですが算数が苦手。ある時、その生徒が受験前に「私は、頭が悪いから先生に迷惑をかけているね」と言ったんです。まだ12歳しか生きてない子どもが、お姉さんと自分を比べたり、先生が一生懸命やってくれているのにできない私がいけない、なんて言ったり。生徒たちにそんな思いをしてほしくなくて、これまで講師としてがんばってきたという経緯があります。だからこそ、わかりやすく丁寧に教えることは大事にしているんです。

吉岡さん:
それは知りませんでした。とても貴重な体験をお話をしてくれて、ありがとうございます。だから、坂口先生はどんな生徒にもやさしかったんですね。

 

浅草教室を卒業した現在は、ナレーターとして活躍する傍らタクシードライバーもしている吉岡さん。

 

がんばる生徒が成績を伸ばすことができる教室へ
――杉末教室長が浅草教室に異動してきて、一番印象に残っていることは?

吉岡さん:
私は、杉末教室長の教え方をとても参考にしていました。授業で使うノートのまとめ方がとても上手で、ポイントや解き方をまず書いて、大事なところは赤で記して、青くマーカーで括るんです。つまり、その日のポイントが一目でわかるようになっている。それを見れば振り返りも簡単だし、生徒の親も今どんなことを学んでいるのか、すぐに理解できます。この教え方には驚かされました。

坂口先生:
杉末教室長がやってくる前から、浅草教室は今のように賑やかでしたが、中にはこれを勘違いして、塾を遊び場と捉えてしまう生徒がいたのも事実です。雰囲気はよかったものの、勉強を学ぶ場としては少し物足りなかった。これが、杉末教室長に代わってからは、一変して「勉強をがんばる生徒」がどんどん成績を伸ばすことができる教室に変わったのは本当によかったです。

――吉岡さんに質問です。9年も浅草教室で働けた理由を教えてください

吉岡さん:
二つあって、まず杉末教室長が講師としてのパフォーマンスを発揮できる環境をきちんと整えてくれたというのが一点。もう一つは、シフトの融通がきいたという点です。実は、私はCMや企業PVなどのナレーターを18歳の頃から続けています。仕事柄、突然依頼がくることもあって、急に講師の仕事を休まなければならないこともありました。そんな時、杉末教室長は嫌な顔をせずに、対応してくれました。感謝しかありません。

 

自身が講師時代に作成した業務書類を手にとって懐かしむ吉岡さん

 

また戻ってきたくなる教室を目指して
――それぞれお互いに今後のエールの言葉をお願いします

吉岡さん:
講師として働いた9年間は、杉末教室長の教え方をベースに、自分でもいろいろと試行錯誤しながら生徒と向き合ってきました。時にはうまくいき、時には反省し、そうして自分自身の成長を感じられることがやりがいになっていました。また、杉末教室長が教室の生徒数の伸び率など、運営についても私たちにオープンにしてくれたので、ただの講師として教えるだけでなく、一緒に教室を盛り立てていっている感覚も楽しかったですね。これからもさらに活気のある教室を目指していってほしいです。

杉末教室長:
一緒に教室を大きくしてくれたという意味では、とても感謝しています。おかげさまで生徒も偏差値60以上の学校に合格する人が増えてきました。とはいえ、現状で満足することなく、吉岡さんがいた頃からまたさらに進化していく必要があると思っています。私自身、また学び続けないと魅力的な教室はつくれない。常に上を目指して、吉岡さんがいた時よりも講師や生徒のレベルを上げられるように努力します。そうしたら、吉岡さんもまた戻ってきたくなるはずです(笑)。

坂口先生:
私は年齢もあって、吉岡さんのように生徒と全力で向き合って元気を与えるタイプではありません。それでも、吉岡さんの教え方を参考にしながら、少しでも生徒の力になれるよう、これからも尽力していくつもりです。吉岡さんもまた別のステージで力を出し尽くしてほしいと思います。がんばってください!