大学生時代に2つの教室で明光義塾のアルバイト講師をしていた上遠野舞(かどのまい)さんは、現在フリーランスの映像クリエイターとして活躍中。映像や画像のストックサービスで有名な 株式会社アフロ でもプロダクションマネージャーとして数多くの作品の制作に携わっています。クリエイターとして活躍の場を広げている上遠野さんに、塾講師のアルバイトをしていたころの思い出や、今でもつながりがあるという元講師仲間の絆、当時の経験が今の仕事のなかでどのように役立っているかなどをうかがいました。
アルバイトでも本気で励むからこそ、面白い
――現在のお仕事を教えてください
映像クリエイターとしてブライダルのムービーやミュージックビデオの制作に携わっています。映像や画像の提供をしている株式会社アフロとは業務提携をしていて、主に映像制作の進行管理などを担っています。実は高校生のころに挑戦したいと思っていたのは映像ではなく写真だったのですが、進学先の大学で映像の面白さに気付き、そのころから映像クリエイターになることを目指してきました。
――なぜ明光義塾でアルバイトをすることにしたのですか?
小学生のころから大学に合格するまで、ずっと明光義塾の生徒だったんです。教室も生徒も講師も教室長のことも大好きだったので、大学に入ったら絶対に働こうと決めていました。同期の子たちも同じようにアルバイトを始めていたのでとても楽しかったですね。大学ではメディアコースを選択していたので、塾講師アルバイトをすることが何か将来に直結するとは考えていませんでしたが、とにかく明光義塾が好きで働いていました。在学中に引っ越しをしたのでもともと働いていた教室は遠くなってしまったのですが、新たに近隣となった教室に所属を変えてまでも働くくらい、この仕事が好きでしたね。所属を変えたのは、慕っていた教室長がそこへ異動をされたというのも大きな理由でした。
――働いていたときの思い出はなんですか?
生徒の入会や継続、夏期や冬期講習の申し込みを増やすためのプロモーションをアルバイト講師たちに任せてもらったことです。講師たちで意見を出し合って、ときにはぶつかりあいながらイベントや告知の方法を考えました。教室運営の根本的なところに関わることは、どこか学園祭のような面白さがありました。みんな真剣に話し合うので、自然とプライベートでも仲良くなり、一緒に遊びにいくこともありました。当時の講師仲間とは今でもよく連絡を取り合っています。互いの近況を報告したり、今の教室の様子を聞いたりといったささやかな交流ではありますが、明光義塾で働いたことで一生の友人ができたと思っています。
どうやったら好きになってもらえるかを考えた経験は、クリエイティブでも生きる
――教える仕事については、何か工夫をされていましたか?
どうやったら教室や講師のことを好きになってもらえるかを考えながら取り組んでいました。生徒たちは、やっぱり勉強のことは嫌だったり面倒くさいって思ったりしている子が多いんですよね。反抗期の子も少なくありません。心を閉ざした状態で入ってくる子たちに、どうしたら話を聞いてもらえるのか、興味関心を抱いてもらえるのかを常に探っていました。私が考え出した作戦は、生徒がちらっと話したことをちゃんと覚えておくことです。些細なプライベートなことでも「前に○○が好きって言っていたよね?」と話しかけると、相手に関心をもっていることが伝わり、会話が始まります。人として信頼をしてもらうことを第一に心がけていました。
――コミュニケーション能力はかなり磨かれたのでは?
そうですね。しかもそうやって相手にするのは一人じゃないんですよ。90分の間に2〜3人同時に、できるだけ均等になるようにコミュニケーションをするんです。相当鍛えれたと思います。夏期講習や冬期講習で一日働いていると、夕方には声が枯れていました(笑)
――明光義塾で培った経験は、今のお仕事に生きていますか?
はい。まず今お話ししたコミュニケーション能力ですが、映像制作の現場では実はとても大切なんです。はっきりいって、今は機材がよくなってきているので映像の品質で他の人と差をつけることは難しいんです。けれど、お仕事がもらえる人とそうでない人の間には明確な違いがあって、それがコミュニケーションの力です。ちゃんと相手の要望を聞き出せるか、それを形にして提案できるかが大きなポイントになります。
またフリーランスで継続的にお仕事をもらうためにはやっぱり信頼を勝ち取らなければなりません。小中学生という大人よりも敏感で気難しい時期にある生徒たちの信頼を得ようとした経験は、大きな財産になっています。
他では得難い経験を積める
――プロモーションを担った経験は今に通じていますか?
もちろんです。私はチラシやご家庭向けのレターを作成することで、冬期講習のプロモーションを後押ししたのですが、今思えばこれはモノを作っていくにおいて基本的な力を身につける非常にいいトレーニングになりました。制作をしていたのは、授業以外の事務にあてられる時間。限られた時間のなかで、一つでもいいものを生み出そうとすることは大学の課題以上に実力をつける機会になりました。先日そのとき作ったものを見返してみたのですが、我ながらよくやっていたなと(笑)。クリエイティブの力を培うためにはとてもいい経験でした。
――最後に、これから明光義塾で働こうと思っている人にメッセージをお願いします。
物事に真剣に取り組む場を与えてもらえるので、自分たちが中心になって何かを成し遂げてみたいという方には向いていると思います。真剣になれるからこそ、仲間もできますし、心から楽しむことができます。私は本当にやってよかった。私は他にも飲食店やブライダル、テレビ局などでアルバイトをしましたが、明光義塾での経験は他では得難いものでした。アルバイトを通じて成長を感じてみたい方にはおすすめできる職場です。