明光義塾ではたらく「人」を伝える

一人の生徒と本気で向き合えるのが明光義塾、感動できる仕事です

大学生時代に明光義塾のアルバイト講師をしていた百合田智紀(ゆりたともき)さんは、現在、TOPPAN株式会社のマーケティング戦略本部に所属し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するチームの第一線で活躍しています。今回は、明光義塾の卒業講師コミュニティ「明光アルムナイ」 にも参画いただいている百合田さんに、塾講師のアルバイトをしていた頃の思い出や、当時の経験を仕事の中でどのように役立てているのか、詳しく伺いました。

 

一人の生徒とじっくり夢の話ができるのは、個別指導だからこそ

――現在のお仕事を教えてください

食品やお菓子、洗剤などのパッケージを扱っている事業部で、デジタルトランスフォーメーション(DX)のサービスを開発・提供するマーケティング戦略部に所属しています。仕事内容は、これまで業者間でFAXやメールなどを使って受発注のやり取りをしていたのを、クラウド上で完結できるようにしたり、そのデータを蓄積してマーケティング活動に活かしたりできるプラットフォームサービスの拡販を担当しています。

 

――明光義塾のアルバイト講師として働こうと思ったきっかけは?

私から応募したのですが、その理由が2つあります。1つは、中学時代に生徒として明光義塾に通った時に、講師との距離の近さや、教室の雰囲気のよさがとても印象に残っていて、自分が働くイメージが持ちやすかったこと。もう1つは、夢の話ができることです。志望校合格はあくまで将来の目標に近づくための「手段」で、ゴールではありません。生徒自身が将来どんなことをしたいと思っているのか、それを生徒とじっくり話し合えるのは個別指導ならではでしょう。そうした人生の大切な時間に携われるのは塾講師しかないと思ったのがきっかけです。

 

――教室に通っていた頃の思い出は?

教室長がとても教育熱心で、通っていた頃は本当に目をかけてもらいました。いつも何かあったら「智紀!」と大声で名前を呼ばれていて、塾に1分でも遅刻しようものなら「智紀はどこにいますか?」と、自宅に電話がかかってくるんです。だから、怒られないようにこちらも必死でした。今でも交流は続いていて、生徒の時はもちろん、講師、そして社会人になっても大切なことをたくさん教わっています。

 

――実際に講師として働いてみて、いかがでしたか?

一口に教えるといっても、自分が持っている知識を話せばいいわけではありません。勉強が得意な生徒と、そうでない生徒が机を並べているわけで、それぞれに適した教え方をする必要があります。それに生徒一人ひとり、性格も理解度も集中力も違って、個性はまさに千差万別、十人十色。そのような状況の中、複数の生徒を一度に見るので、慣れるまでに少し時間がかかりました。

 

 

講師の横のつながりが深まれば、受験にチームとして臨める

――授業では教え方としてどんな工夫をしていましたか?

講師を始めて1年目はチャレンジの連続でした。「前回はこの問題がわかってもらえなかったから、次はこんな伝え方をしたらどうだろう?」と、毎回調節していき、2年目に入ったあたりでようやく自分なりの教え方がつかめたと思います。とはいえ、その後も改善の繰り返しで、大学の授業中も生徒のことを思い浮かべては「どんな伝え方が正解なんだろう…」と、四六時中考えていたのを覚えています。

 

――かなり試行錯誤していたのですね

大変でしたけど、充実していたので楽しかったです。2年目からは主任講師に任命されたこともあり、さらにやることが増え、今度は生徒だけでなく教室全体のことも考えた動き方をする必要がありました。講師のマネジメントなどを任せていただいたので、時には先輩方にも意見しなければなりません。こうした経験は社会に出てからも役立っています。もちろん社員講師のサポートを受けながら進めていったのですが、コミュニケーションスキルなどはかなり磨かれたと思います。

 

――当時はどんな課題があったのですか?

講師の横のつながりがあまりなく、情報共有の機会が少ないといった声がありました。実はこれは生徒にとってももったいない状況です。例えば、受験では各教科の総合点が結果を左右します。数学が得意で国語が苦手な生徒がいたとしたら、数学で高得点を目指しつつ、国語はポイントをしぼって点数が取れるところだけを狙おう、と作戦を立てることができます。そうすると授業の方針も変わる。つまり、講師が連携を取れれば、受験にチームで臨むことができるというわけです。

 

――具体的にはどのような改善を行ったのですか?

まずは講師一人ひとりと密なコミュニケーションを取るようにしました。また、1か月に1回、振り返りシートを配って講師全員に記入してもらい、それに対し私が一言ずつ感想を書いていくといった取り組みにもチャレンジしました。そうすることで、横のつながりはもちろん、教室として一番の課題とも言える、講師による教え方の差異などを埋めることにもつながり、教室全体のレベルがあがったと自負しています。

 

 

研ぎ澄まされた「伝わる」コミュニケーションスキル

――塾講師を経験してどのようなスキルが身につきましたか?

講師時代に意識していたのが「伝える」ではなく「伝わる」コミュニケーションを取ることでした。私が教えている内容が理解できているかどうか、生徒の様子は常に確認していました。問題を解いている時に手が止まったら「私の今の説明はわかりにくかったのかも」と、改善すべき点として気づくことができます。「伝える」だけにならないよう、生徒の小さなリアクションは見逃さないよう注意していました。

 

――現在のお仕事に活きていますか?

「伝わる」コミュニケーションは、今の仕事でも特に気をつけるようにしています。「伝える」だけではお客様の心をつかむことはできないし、信頼を得ることもできません。そもそもお客様の表情を見るということは、相手への気遣いとしても必要なことです。これはほとんど習慣づいていて、例えばプレゼンをしている最中、相手のリアクションが少なくて納得感が薄いと、「今の話し方は違うんだ」と、すぐに修正するようにしています。

 

――広い視野も身につきそうです。

そうですね。それも主任講師を任されたことで身についたと思います。自分で授業しながら隣の講師の授業を聞いたり、集中できていない生徒がいれば話しかけにいったりと、常に教室全体を見るようにしていました。そうしないと生徒のレベルが上がらないし、講師のレベルもあがらず、教室自体のレベルの底上げになりません。そうした視点は主任講師を経験したからこそ。読者の皆さんにも講師として働く機会があれば、率先して主任講師を担当してほしいですね。

 

人生のターニングポイントに携われる仕事はそう多くはない。

――最後に、これから明光義塾で働こうと思っている方へメッセージをお願いします。

人生には就職や結婚といったターニングポイントがあって、その一つが受験です。その時期に携われる仕事は、そう多くはありません。もちろん、責任が伴う仕事なので、私も生徒の受験前には緊張で眠れなくなりましたし、胃が痛みもしました。でも、生徒が受かった時は心から感動できます。本気で生徒と向き合えば向き合うほど、やりがいのあるすばらしい体験ができる仕事です。ぜひチャレンジしてみてください。