現在、明光義塾の取締役を務める小宮山大は、アルバイト講師、教室長、フランチャイズオーナーの立場で明光義塾と関わってきました。ここでは教室長時代を振り返りつつ、明光義塾の教育メソッドの魅力を語ります。 → アルバイト講師時代のエピソードはこちら
〈 小宮山 大 プロフィール 〉
生徒として明光義塾に出会い、大学時代には講師アルバイトとして勤務。1998年 明光義塾のフランチャイズ加盟企業（現：株式会社MAXISエデュケーション）に新卒入社。2000年には、教室長として売上全国No.1獲得（当時1,500教室）。2007年 社内ベンチャーを立ち上げ、教育以外の事業に携わり、その後、株式会社MAXISエデュケーションの社長に就任。現在は、明光義塾のフランチャイズ本部である株式会社明光ネットワークジャパンの取締役（MAXISエデュケーション会長と兼任）として、全国1,700教室以上の副本部長を務める。※2020年5月9日時点
全国No.1教室は、講師の個性を生かすことで生まれた
――どのような経緯で、明光義塾に入社しましたか？
はじめはアルバイトの講師になり、後にフランチャイズに就職して教室長になりました。
明光義塾で働きはじめたのは、自分が中学生のときに明光義塾に通ったことで偏差値が35から60まで上がり人生が変わった経験があったからです。このときのことを多くの生徒の伝えていきたいと思いました。
さらにアルバイトでの経験を通じて、明光義塾のファクトに裏打ちされた教育カリキュラムに魅力を感じたことから、より深く関わりたいと考え就職に至りました。
――教室長になってまもなく、着任した教室を全国で売上No.1の教室にしています。どのような運営を行ったのでしょうか。
力のある講師に集まってもらうために、講師が働きやすい環境をつくることに注力しました。情報共有を怠らず、教室が今どのような環境にあるのかは逐一話すようにしていましたね。月謝を工面するために保護者が奔走しているということを伝え、「その分、しっかり質の高い教育をしよう」と話しました。
講師にはさまざまな個性をもつ人々を採用しました。医学部に通う優秀な講師もいましたが、明光義塾で力を発揮するのは勉強が得意なタイプだけではありません。やんちゃと言われる人もいましたし、勉強が大の苦手だというタイプもいました。一見、塾講師には向いていないと思われるかもしれませんが、そもそも明光義塾に来る子のタイプは非常に多様。ヤンチャな講師の方が言うことを聞かせられることもありましたし、挫折を知っている人の方が説得力を持つこともある。先生の個性を生かして働いたもらったところ、全国でNo.1の教室にすることができました。
自信をなくした子どもの人生を変える教育を
――それは教室長時代に最もうれしかった経験ですか？
T君という生徒を指導できたことです。彼はまったく授業についていけず、やる気もなくて誰からも見放されているような状況でした。最初に持ってきた数学のテストは８点です。けれど、僕は彼に自分と似たものを感じました。「自分はできる」と信じることさえすれば大化けすると期待したんです。そこで彼が求めている以上の言葉をかけました。「50点ではなく、100点をとろう」。僕は中学生のとき、T君と同じように全てを諦めていました。けれど近所で個人塾を経営する女性が「頑張れば大学にだって行けるのよ」と声をかけてくれた。それで目が覚めた経験を彼にも体験してもらおうと考えたんです。僕は彼を励まし続けました。勉強を教えるというよりは、やる気になれるよう声をかけ続けたんです。その結果、彼は３カ月後に数学で80点を獲得。自己肯定感がでてきたからか性格も明るくなりました。そのとき、改めてこの仕事は子どもの人生を変えるものだと感じました。
メソッドがあるから、自己満足で終わらない
――その経験にやみつきになってしまったのですね。
そうなんです。僕はまだまだたくさんのT君をみつけ救い出していきたい。それをもっと広い範囲で行えるように現在は本社に勤務しています。
T君のような成功事例を生み出せたのは、単に僕の情熱によるものだけではありません。明光義塾にはそれを成功させられるメソッドがあるんです。個別指導を30年以上展開してきた大手塾だからこそ、それを繰り返し実現することができる手法を持っています。
教えることって実はすごく楽しくて、気持ちがいいんです。だからこそ、つい自己満足に陥りがちになる。しかしそれでは生徒のためにはなりません。明光義塾はメソッドにそった本当に効果的な教育で生徒の一生に貢献できるんです。
――明光義塾で、今後どんなことをしていきたいですか？
アルバイトで講師になったときからずっと思いは変わりません。かつての自分のような、T君のような子を救いたい。「どうせできない」「あなたには無理」といった言葉で可能性を潰されている子にも、自分が想像する以上の未来があることを知ってほしいんです。自信をなくしている子に自分を100％肯定してくれる大人の存在は貴重です。まずは勉強を教えるよりも自分を信じられるようになる言葉を届けたい。学力はその後で自然とついてくるはずです。
――明光義塾で働くとは、どのようなことでしょうか。
子どもが目の前でどんどんポジティブな方向へと変わっていくんです。これほど面白いことはありません。表情、性格、成績……自分たちの働きが子どもの輝きにつながっています。他の仕事ではなかなか味わえることではありあせん。また、ときに難関校に合格する子が現れると自分の力が自分の実力以上のところに及んだような面白さを感じることができます。
